2017-07-17

I'm remote

親会社のいろんな都合で今年から (日本での社会上は) 所属会社が変わってはいる。仕事内容は変わってはないのだけど、自分の置かれている状況ってのは初めての体験も多いのでそのことをまとめて書いておく。

というのも今年から立場上はUSの会社に直接所属することになり、でも日本で働いている。この状況で働く人の情報ってネットに転がってないし、こういう状況下で働くってのはいい面と悪い面がある。


海外の会社の日本現地法人が存在する場合


よくあるパターンだし、大概の場合はこれ。

海外の会社の日本現地法人で働く場合は、現地法人の会社に所属することになるので、日本の法律上の保護は受ける。言い換えれば厚生年金とか社会保険とかは日本の会社にいるのとは変わらない。解雇規制も日本の企業と法律上は変わらないはずなのだが、結論としてドライな解雇はとにかく存在する。HRも自分の首がかかってる (解雇対象者を辞めされられないってことは自分の成績に反映されるってこと) ので、その時はいろんな手が使われるけどね。まぁアメリカみたいに今日で辞めてって話じゃなくて、パッケージを用意して3か月後とか。某なんとかボックスでいろいろいい話があったけど。。。

また入社の際、アメリカの事例でAmazonに入社したつもりが会社名が住所の番地名になってる謎会社だったとかよく聞く話でもあるんだけど、これは日本でも当然ある。

自分の場合、マイクロソフト株式会社に入社したつもりが、(ネバダ州が本社だったり、シンガポールにあったりする) マイクロソフト・アジア・リミテッドっていう謎の資本金3000万円の会社に入社することになってたとか、この謎企業に入社したため住宅ローンの契約が最初できない事例があったりする (その後交渉してできたそうだけど。自分の例ではない)。あと親会社の都合によって、いろいろ転籍させられることにはなったりもする (その都度NDAを結んだり)。仕事内容は変わらないが。

なお、自分の立場の場合はレポートラインが日本法人の社長への流れではなくて、最終的にはUSの組織だったけど、日本法人の社員ではあるので法律面では日本の法律上で守られるし、福利厚生も日本法人と同じ。ただヘッドアカウントとかはUSのコントロール配下で生きてた。

ストックオプションも当然もらえて、海外の証券会社にストックオプション用の口座が開かれて、そこで取引する。なんかあれば英語で電話することになるけど、トランスレーター用意してって言えば対応可能なところが結構ある。

またUSで働きたい (= 転籍) と思った時は、(大きい会社の場合は) L-1ビザ対象にはなるので、ビザのストックがあって受け入れ先部署が存在すればUSでも働ける。実際同僚でそういう人は結構いた。

現在の弊社の場合はオフィスがある場所は現地法人が存在するけど、残念ながら日本には現地法人が存在しないので、この立場は選べない。


海外の会社の日本現地法人が存在しない場合


現在の立場がこれ。たぶん今後はこのような立場の人たちが増えるんだろうなって気がしてる。ただ日本の社会環境はこういう立場で働く人たちを考えてはいない。

このパターンで働く場合は個人事業主として働くか、どこかの会社に入社して請負(派遣)契約経由で働くしかない。はっきり言って、この現地法人がない会社の場合は、ローンとかは諦めてくださいって感じになる。

なお給料支払いは契約内容にはよるけど、円支払いとかドル支払いとか会社によっていろいろある。ただ海外から送金されて給料振り込みされるので、たまに送金がブロックされて (= マネーロンダリングが疑われたりするため) 給料が振り込まれないという面白事例があるらしい。なお現在のほとんどの銀行は、海外送金がある場合はマイナンバー登録してくれって言われる。

オフィス


自宅で働くかどこかシェアオフィスを借りることになる。シェアオフィスを借りる場合、会社によっては会社との直接契約を望まれることがある。日本のシェアオフィスってのは英語で契約書を交わせて、海外の法人と直接契約、請求書発行、処理ができるところってのは思ったよりも少ない。またその条件に加えて個室が欲しいとなるともっと少なくなる。この条件満たすオフィスって東京でもほんと数えられる程度。もちろん自宅で働く場合はこの限りではないけど。

もちろん経費精算を自分でやるってことで会社と交渉して独自契約でシェアオフィスを借りるのも可能。その場合いろんなオフィスの雑用・請求書の処理も自分でやらないといけない。

あと、日本の会社だと当然のように発生するなんとか手当的なものは基本存在しないので、自分でいろいろ交渉してそういう手当をもらえるようにしないといけない (必要であれば)。


個人事業主で働く


この場合は日本で個人事業主で働く時と全く一緒。厚生年金はないし、国民健康保険に加入する。当然解雇もUSと同じなので、突然に近い。あと給料から経費をいろいろ引くことは可能だけど、事業税とか消費税とか発生して手元の給料は減っていくので、そういうことも含めて給料交渉をする必要がある。


請負(派遣)契約で働く


厚生年金とか社会保険に加入するにはこっちの方法しかない (バックマージンは非常に取られるようけど)。日本の法律上はこの派遣元会社に所属して、海外の会社の仕事を請け負い派遣してるってことにになる。最低限の社会保障はつくし、経費精算とかもその会社経由で行われるので、いろんな面倒なことからは逃れられるけど、解雇になれば、この派遣元会社も辞めるはめにはなる。まぁ簡単に言ってしまえば、日本でパソナ経由で派遣で働くとかと同じ。

こういう仲介請負派遣会社が増えれば、海外の会社も日本在住の人を雇いやすくはなるんだけど (日本法人を立てるメリットがない場合)、実際のところ少ないし、各々の細かい話におけるオペレーションもひどいので、ここらはビジネスチャンスになるのかなぁとは思うけど、さぁどうなんだろう。


レドモンドで働いてた知り合いが、「働くのはUSの方がいいんだけど、住むのは日本がいいんだよね。誰か早くどこでもドア開発してくれないかなぁ。あればあれば、平日US、休日日本という最高の生活ができるのに」って言ってたけど、ホント求めてるのはこれだよな。

2017-01-15

ECMA-402

JSer.info 6周年と300回記念イベントに行ってきて、ECMA-402の状況と今後について話してきた。


2016-12-31

Quantum CSS (Stylo)

個人的な持論として、新しいプログラミング言語は自分自身の存在意義の証明をすべしっていうのがある。実際自分が雇用された会社が言語を作った例ってのがいくつもあるんだけど、大体の会社においてそれが行われている。実際ポシャったLonghornのコードなんかはシェルがC# (Avalon)+WinFSゴリゴリで書かれてて、デスクトップ用途におけるC#の存在意義を示すものだった。このプロジェクト自体は失敗したけど。失敗した理由は決して言語のせいだけじゃなかったけどね。完成時におけるハードウェアスペックの想定を間違えていた。

Rustって言語は、同じ時期に出てきたGoと同じ感じと勘違いする人は多いけど、Rust自体は言語仕様としてコーディング時に起きやすいミスを言語仕様的に許さないっていうことがあって、C言語みたいなとりあえずコンパイルは通すみたいなのを許してくれないことが多い。そのため、動いてしまえば問題が起きづらいって感じで、さすが2010年代に出てきた言語だなという感触がある。でもRustって言語の証明をしないといけないとは思うけど、それは?ってところでServoというエンジンがある。

Servoのデモっていくつか残念な話があって、Servoで最速な部分の話を全面に出してて、実際のところよく最適化された現在のいろんなWeb Engineにくらべて速いってことはそんなに多くはない。ただ、局所においてはそうとう速いところはある。

現在のGeckoのCSSパーサーやStyle Systemの設計は相当古い。WebKitやBlink、Edgeに比べれば速いわけでもない。そこでStylo (Quantum CSS)で置き換えて行くってことになる。Stylo自体は去年のMozilla All HandsでRustをどう使うかとかServoどうするのよ的な話から派生した流れで2015年の年末からBobby Hollyがやり始めたもので6月の時点のデモではWikipediaのCSS Parse / Stylingが約5倍くらいになるよって感じでステータスが報告された。Stylo自体は別ツリーでビルドされているので、まぁちょっとずつだけど進んではいる。実際のところは3/4くらいのCSSプロパティの実装は行えてるので、このままだと2017年の春から夏にはNightlyで有効にされるんじゃないかな?

なおBlinkはCSSパーサーをアップデートしたらしいんだけど、そのパーサーをAppleもポーティングしてWebKitに組み込んだらしいんで、2017年は各社のCSSパーサーがいろいろとアップデートされる年なんだろうね。